第23回 桜蔭塾
もうない ひろむ
毛内 拡 氏(お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系 助教)
「脳と心の健康を守り支える脳のしくみ」

日 時:2024年6月9日(日) 14:00-15:30
会 場:国際交流留学生プラザ4F+Zoom
受講料:桜蔭会会員・お茶大生(含院生) 無 料

    / 非会員 1,000 円
申込締切:2024年6月5日(水)


【講師の先生からの講演メッセージ】
脳が生きているとはどういうことでしょうか。身体の健康寿命が延長する一方、脳やこころの健康についての理解は未だ不十分です。脳が健康で正常に機能しているとはどういうことか改めて問い直す必要があります。脳研究では、これまで、ニューロンのシナプスを介した速くて精緻なデジタル的な相互作用に関する研究が中心的に行われてきました。しかし、脳の情報伝達には、グリア伝達、神経調節物質の拡散性伝達、広範囲調節系、脳脊髄液と間質液の交換や細胞外電場による非シナプス的な相互作用が重要な働きをしています。私はそれを「脳のアナログ情報伝達」と呼び、その未知なるメカニズムの解明に取り組んでいます。脳のアナログ情報伝達が破綻した場合に生じる病態や、脳のアナログ情報伝達の正常化による治療法等について研究しています。

講演の簡単な内容
◉脳とはどういう「臓器」か?
◉脳の健康を守り支える脳の「アナログ情報伝達」のしくみ
◉脳科学的にみて、頭が良いとはどういうことか?
◉脳のパフォーマンスを向上し、柔らかい脳を保つために明日からできること

【プロフィール】
脳神経科学者、お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業、2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員等を経て2018年より現職。同大にて生体組織機能学研究室を主宰。専門は、神経生理学、生物物理学。「脳が生きているとはどういうことか」をスローガンに、基礎研究と医学研究の橋渡しを担う研究を行っている。主な著書に、第37回講談社科学出版賞受賞作『脳を司る「脳」』(講談社)、『面白くて眠れなくなる脳科学』(PHP研究所)、『「気の持ちよう」の脳科学』(筑摩書房)など。趣味は道に迷うこと。