日 時 :2023 年2 月15 日( 水)10:00~11:00

オンライン開催( Zoom)

桜蔭会奨学金は、貸与型の奨学金として明治42(1909)年からはじまり、昭和20(1945)年4月の空襲で桜蔭会館が消失するまでつづき、昭和24(1949)年に再開した。昭和60(1985)年貸与制をあらため贈与制(給付型)となり、現在にいたる。毎年奨学生は学部3年生から4名、平成28(2016)年に奨学金の見直しにより各20万円を贈呈。

Zoomの画面越しに、会長より奨学金と目録が渡された。

贈呈式には、佐々木泰子学長、新井由紀夫副学長ならびに学生指導教官の4名の先生方がご出席された。桜蔭会からは髙﨑みどり会長と副会長2名理事6名、計9名が出席した。

会長から、コロナ禍でも挫けることなく勉学に励み、優秀な成績を修め、明確な目標を持ちそれに向かって着実に進んでいる、本当に素晴らしい学生のみなさまをご推薦くださったと謝意を伝えた。

お茶の水女子大学学長 佐々木泰子先生のごあいさつ

桜蔭会から給付型の奨学金を後輩の学生たちにいただき、誠にありがとうございます。また、このような心温まる贈呈式を開催していただき重ねてお礼申し上げます。

奨学生となったみなさんは、およそ500名いる学部3年生の中から学業の成績、人物としても優れた学生として大学から推薦をしました。先輩として応援してくださる桜蔭会のみなさまに感謝をこめて、これからもより一層励んでもらいたいと思います。

お茶の水女子大学副学長 新井由紀夫先生のごあいさつ

奨学生のみなさんの努力に対して、桜蔭会よりこのような栄えある奨学金をいただき感謝いたします。社会に関わるということを目標に、いろいろなところに出向き、活躍の場を広げようとすることが、桜蔭会のみなさまに評価されたと思っています。先輩として桜蔭会のみなさまが見守っていてくれることが、心強い灯となりますので、それを胸にこれからもがんばってください。

もう一つ、あとはがんばり過ぎないことも大事です。自分のことを考え、バランスを取りながら長く自分のやりたいことを続けていってほしいです。

奨学生からのお礼の言葉(指導教官からの推薦理由)

文教育学部 人文科学科 地理学コース奨学生

このたびは桜蔭会の奨学生に選んでいただき、激励をうけありがとうございます。

将来は公務員になって行政に関わっていくことを望んでいます。1年生のころから考えていましたので、さまざまな知見を得て自分の世界を広げるため、学部の枠にとらわれず積極的に授業をとることを心がけていました。1,2年の時はずっとオンライン授業でしたが、独学では学ぶことが難しい分野も詳しい話が聞けて、あらためて学ぶことの楽しさや好奇心が湧きました。

卒業研究のテーマは地名で、地域になぜこの名がつけられたのかその由来について、特に災害の起こりやすさなどを後世に伝えるためにつけた地名を分析して、災害リスクを検討したいと考えています。

(推薦理由 文教育学部 人文科学科 宮澤 仁先生)

入学以降さまざまな知見を得るために幅広く授業を履修していて、勉学意欲に優れた学生と評価をしています。中でも専攻するコースの授業では優秀な成績を修めています。3年時に1年間を通してのフィールドワークの授業があり、そこでリーダーシップをとり積極的に取り組みました。また、1年生から「夢のつばさプロジェクト」のボランティア活動をつづけて、東日本大震災で保護者を亡くした子どもたちの居場所作りや夢の実現を応援しています。成績とともに人柄も優れた学生であることが奨学生に推薦された理由です。

文教育学部 言語文化学科 英語圏言語文化コース奨学生

桜蔭会奨学生にご採用いただきありがとうございます。

私は、英語圏言語文化コースで学んでいます。具体的には、言語の構造について明らかにする統語論や幼児が言語をどのように習得するかという幼児教育、幼児習得の分野について学んでいます。卒業論文でもこの分野について研究していきたいです。教育にも関心があり、教職課程も履修しています。

今までの3年間はコロナ禍ですごく孤独を感じることもありましたが、いつでも親身なって話を聞いてくださる先生方や切磋琢磨できる同級生などたくさんの方に支えられてこのように学んでこられたと感謝しています。これからも、周りの方々、自分が身を置く環境に感謝しながら精一杯努力していきたいと思っています。

(推薦理由 文教育学部 言語文化学科 高桑 晴子先生)

勉学意欲あふれた学生で、広く英語学、英語圏文学文化の課目を履修してきました。英語の教員免許の取得を目指し、教職課程の課目も熱心に受講してきました。修得単位数も多く成績も優秀です。1年生の時から非常にまじめで積極的に授業に臨む姿勢が印象に残っています。私の1年時2年時の授業は英語で行い、学生からも英語での応答をもとめますが、オンライン授業のため発言が難しい中、進んで質問をして、グループワークではイニシアティブをとってくれました。2年時には入学式の新入生の案内係やオープンキャンパスでの受験生との交流、ピアサポートなどに参加しています。さらに、大学案内2022にも貢献しています。温和で明るい性格で同級生とも良好な関係を築いています。このような理由から桜蔭会奨学生に推薦をしました。

理学部 生物学科奨学生

桜蔭会奨学生に選出いただき、まことにありがとうございます。

1年生からコロナ禍の上、オンライン授業で苦労したこともありましたが、情報の授業や言語の授業などさまざまな授業をうけることができました。それらの授業を受けることにより、視点も広がり自分の学問に役立っていると感じています。

3年生から研究室に仮配属をして、前頭側頭型認知症の研究をしています。4年生からは研究も本格化し、私は大学院に進むつもりなので、これからも研究にいっそう励んでいきたいと思っています。

(推薦理由 理学部 生物学科 宮本 泰則先生)

生物学科の授業が講義だけでなく実習も多い中、コア科目も含めたいへん優秀な成績を修めております。3年生での研究室配属において、社会に貢献する研究がしたいという希望で、前頭側頭型認知症の研究を選びました。高齢化社会が進み認知症は大きな問題ですが、この前頭側頭型認知症は特に若年期に多く発症し社会にとって影響の大きいものです。脳だけでなく肝臓にも影響がおよびますので、動物実験を行いこのような影響を調べたいと、大学院進学も考え、勉学や研究意欲の高い学生です。このような理由で奨学生として推薦をしましたが、意欲のある学生に対して桜蔭会のみなさまからご支援いただけることに、たいへん感謝しています。今後もこういった支援の継続をお願いしたいと思います。

生活科学部 食物栄養学科奨学生

桜蔭会奨学生に選出いただき、たいへんありがとうございます。

私は、大学生活を通して、興味のあることをまずやってみる、やるからには全力投球で、という気持ちを大切にしてきました。コロナのために留学はかないませんでしたが、オンラインや留学生会館で海外の人たちと交流することで、今できる勉強をできるだけたくさんやろうと、ベストをつくしてきました。この日々の努力を評価していただけたことをうれしく思います。

今は、JICAで栄養改善に関わるインターンシップを行っています。その業務の中で、自分の専門である食物栄養学だけでなく教養科目で勉強したさまざまな分野がつながっていると実感しています。

将来は国際医療の現場に関わり、栄養改善により、人を救いたいと思っています。卒論や大学院進学を見据えて日々がんばりたいと思います。たくさんの方に支えられていることに感謝いたします。

(推薦理由 生活科学部 食物栄養学科 須藤 紀子先生)

食物栄養学科の卒業必要単位数は、138単位ですが、奨学生となった方は3年前期の時点ですでに142単位を取得しています。しかも、授業での課題の完成度も高く、1年時の食物栄養学入門では、「コロナウイルス禍における中学生の食の変化」という個人テーマを設定し、事前の文献調査を踏まえて中学校での現地調査も行いました。自分でフィールドを確保して調査をしたことで、教員はとても驚かされました。課外活動では、国際交流サークルに所属し、海外の人も含めた英語でのディスカッションやオンラインでの異文化理解のイベントを通して、英語運用能力の向上と異文化理解に努めました。海外からの研修生の受け入れ開始後は、日本に来た研修生の相談や観光地案内の活動を行い、研修生の日本での生活をサポートしました。

このたびは、栄えある桜蔭会奨学金を授与していただきありがとうございました。

*会報9月号に、奨学生のみなさまに「私の夢・これからやりたいこと」をテーマに書いていただいたものを掲載予定です。